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北風と荒波の中で真鯛釣り [沖釣り]

季節外れの台風2号(国際名称:スリゲ)は25日09時に日本の南で温帯低気圧に変わりましたが、その影響で関東の太平洋側沿岸にもウネリが入り波高く、更に前線通過により南風から強い北風に変わった26日の悪天候の中、友人達と東京湾剱崎沖に真鯛釣りに行ってきました。

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---気象図は[コピーライト] tenki.jp さんから借用しました---

この時期の真鯛釣りは、産卵期の乗っ込みのために特定ポイントに魚が集まりやすくなるので、毎年恒例で仲間達と船を仕立て海に出ています。昨年はコロナ禍で初めての全国一斉の緊急事態宣言が発令されたため、同じような時期的に企画したのですが直前中止にしました。

今年もコロナ禍は収まっていませんが、まだ就業中の他メンバーはこの日に合わせて2月から休暇調整していますし、訪れる神奈川県三浦市は、まん延防止の対象外でしたので予定通りに決行しました。

ただし、これまでは前日に磯遊びや防波堤からの投げ釣りを楽しんだ後で三崎港近くの魚料理屋さんで美味しい晩飯を頂くコースでしたが、このような状況なので出船当日の早朝4時集合としました。

今回の船宿は、三浦半島の突端に位置する松輪江奈港の"せどおと丸"にお世話になります。これまでアチコチの釣り船を利用しましたが、中には棚取りを誤ったり、ハリス切れして魚を逃してしまった釣り客に暴言を吐く船長もいます。しかし、せどおと丸の船長は静かにリードして釣らせてくれるのでここは毎年恒例で利用させて頂いています。

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今回は後輩ながら釣り名人のN沼さんの車に同乗させてもらい、前夜22時頃に現地に到着しました。到着後は朝まで車中での仮泊となりますが、自分は足が伸ばせない車の中で寝るのが苦手なので簡易ソロテントを持参して寝ることにしました。

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寝転ぶと頭と足がテントについてしまう小さく粗末なものですが、数時間の仮眠ですので狭さは我慢します。

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寝袋に入って、一杯飲んで、いざ寝ようとしますが、北からの爆風がテントをバタバタと揺らすので、その振動とバタバタ音で殆ど眠ることができませんでした。[これが後の失敗のもとに]

早朝4時近くになると他の釣り人が乗った車が続々と集まって来ました。もう寝ていられないので早々とテントを撤収して乗船準備です。

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---> 左の丸い光は、早朝4時の夜明け前に山陰に沈む直前の満月(写真中央)です。右側は駐車場の照明です。

<出港前の様子>

せどおと丸は最大定員23人の船ですが、今回は7人で仕立てましたので、スペース・デイスタンスも十分です。最も、ここの真鯛釣りはビシコマセの長いハリス仕掛けですので、乗合船のように多くの人を詰め込まれるとお祭りの可能性が多くなりので、やっぱり仕立てが良いですね。

ビシコマセ釣りはコマセを振りまきながらの釣りなので、座席によっては多少の釣果に差が出ます。このため、くじを引いて決めました。自分は右舷ミヨシ(船首)から 3/4番目です。

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左隣の2/4番には、最近は道具に凝りだして長短2本の竿を持ち込んだT橋義人くんです。

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右隣の4/4番目のトモ(船尾)には名人のN沼智行さんです。今回は本命の真鯛が2枚でしたが2.9kg船中の大物賞を釣り上げました。外道にメジナも釣り上げてました。

船は5時30分前には港を出ますが、北風が強いので普段は波静かな港の中でも波が立ってます。そしてフードを被っていないと顔に霜焼けができそうな寒さです。

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---ポイント図はhetaturi.comさんから借用しました---

<出港してポイントに向かう>

江奈港を出た船は、房総半島に向かって走ります(矢印のポイントが剱崎沖)。剱埼灯台を過ぎた位置まで進むと一旦スローにして6時になるのを待ちます。遊漁組合の申し合わせで6時にならないとスタートできません。そして6時になると各遊漁船が一斉にポイントめがけてスタート猛ダッシュします。

前日からの爆風が吹き荒れている海なので3mくらいの波高となり、船はヨーリングとローリング(前後左右)して大きく動きます。船が波を超えるたびにバシャンバシャンと波しぶきがかかり、両手で捕まっていないと船から振り落とされそうです。とても写真を撮ることもできません。今日は自分が出た沖釣りの中でも3本の指に入る海の荒れ方です。まるで遊園地のジェットコースターの様に体が上下にジャンプして揺すられます。

太陽が出ていれば房総半島から昇る様子が見えるのですが今日は曇りで見えません。もし出ていればこんな感じです。(ポイントに急ぐ同じ松輪江奈港所属の大松丸)

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---ameblo.jpさんの写真を借用しました---

<ポイントに着いて>

朝一番には魚もお腹が減っているのでポイントに着いてすぐの第一投がその日の出来を左右します。でも、その1投目ですが、コマセカゴに撒き餌のオキアミを詰め、10mと長いハリス先につけた釣り針に餌のオキアミを付けていると・・・ビューと風が一段と強くなりハリスが飛ばされて船中に引き込んだフロートブイのロープに絡みついてしまいました。

仕掛けも安くはないので、揺れる船中で何とか外す努力をしましたが、結局は仕掛けを取り替える羽目になりました。[これが2つ目の失敗]

「あ~あ~!やっつちまった!!」「一度も海に入れなかったハンドメイドの高い仕掛けなのに!」「それより早く仕掛けを取り替えなくちゃ」「寒いので手が云う事を聞いてくれない」・・・と焦っていると案の定、左のT橋義人くんが船中で朝イチのモーニングサービスをゲット。

<何とか1枚をゲット>

新しい仕掛けに取り替えて、何度目かのコマセと餌の交換をしていたら、急にハラワタをギュウと締め付けるようになり吐き気がしてきました。乗船30分前にアンパン1個を食べ、加えて酔い止め薬を飲んだのに、寝不足なのか?大揺れすぎる中で仕掛けの交換をしたせいか?

こうなったら、我慢をしないで船の外へゲロ・ゲーロしますが、朝飯はアンパン1個と薬を飲むための水分もだけでは撒き餌になりません。腹筋が痛むほど絞られましたが出すものもありません。・・・出るものが無いとわかったら逆に開き直り気分が好転して釣モードに戻りました。

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それから小一時間立ったときに、ついに来ました。波が高くて確かなアタリが取れなかったのですが、竿を立てた時にググット感覚があったのでテグスを巻くとクンクンと真鯛独特の引きがあり確信してハリスをひくと赤い魚体が見えました。やっとの1枚です。(サイズは後記を参照)

<その後は食い渋り>

10時ころになると少し北風が弱くなってきましたが、逆に魚の朝飯タイムが終わってしまいアタリは無くなり、ビシの中の撒き餌が無くなっても針がついた餌のオキアミはそのままの姿という状態になりました。

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そして近いポイントに多くの集まっていた僚船も、それぞれのポイントに散っていきました。

そんな集中力が切れてきた頃に隣のT橋くんとこの日初めての道糸がお祭りになりました。私のテグス(道糸)の途中にT橋くんの針が絡んだので外してもらっている時に、私の海中に残った道糸が船のスクリューに絡みついてしまいました。

ちなみに釣り船は潮流で船が流されてしまわないように常にエンジンをかけてスクリューを回しています。ハリスであれば強く引けば切れますが、道糸はどんどん引かれて行きます。そのままでは、道糸が全部巻き取られ最後は竿を折られるので、思い切ってハサミで道糸を切りました。「今日3つ目の失敗」

「20m弱の道糸とその下に付けるコマセビシと天秤とハリスが一瞬パー」「まだ使用2回めのビシと形状記憶合金の天秤とクロロカーボンのハリスだったのに!これだけで諭吉さんが半分飛んでいく」と嘆いてしまいます。

船長からビシと天秤を借用して釣り続けましたが、既に戦意喪失した者に魚は釣れません。定刻時間に沖あがりです。7人の成果は4~0枚でした。4枚トップはベテランS藤匡昭さんで大物賞は2.9kgをN釣り上げた名人N沼智行さんでした。

自分のは36cm、640gの1枚だけでしたが、もともと数多くは望まないので良しとします。

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天然真鯛は尾びれがピンと張っているのです。色も桜色で綺麗ですね。

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ちょっと小ぶりの640gですが、家庭で調理して食べるにはピッタリです。以前に7kg近い大物を釣りましたが、まな板からはみ出して調理するのが大変でした。

<翌日は釣り道具の片付けで失敗>

クタクタになって家に帰っても、やることがあります。それは身に着けていた合羽や長靴や釣り道具類の塩を流すための水洗いです。

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電動リールの道糸も真水に浸して塩抜きをします。でも集中力が切れているので洗い終わって巻き上げるときにこんな状況に・・・・。[本当に今日は失敗ばかりです]

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今日は絡んだ糸をほどく気が無くなりましたので、翌日に回しました。

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翌日には、日向ぼっこを兼ねて3時間ほどの綾取りパズルを行って何とか糸の絡まりが治りました。次回の定例行事の銚子沖の夏ヒラメ釣りを想定しながら・・・・。

<今日のおまけ:ひよこのマスターと真鯛の調理>

とある居酒屋で隣り合せ、釣り話で盛り上がり友人となったその人は、王子神谷で「串あげ"ひよこ"」という店をやっています。このマスターは昨秋の報知スポーツ新聞にカワハギ釣りで写真と記事が載るほどの腕前でして、仕事が終わった深夜に南房総まで行って釣りを行い、帰宅して仮眠後に店を開ける釣り好きな人です。そして釣行に行った翌日は、串揚げ屋さんですが釣ってきた魚料理が中心となるお店です。

先日居酒屋であった時に今回の真鯛釣予定を話したので、釣り上げた1枚の真鯛と船宿で頂いた塩蔵ワカメを持って店を訪れてみました。

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東京は緊急事態宣言が発令されたので、今はテイクアウトだけで商売しているようです。

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店内の一角には無造作に釣り竿や釣り道具が置かれています。ここで自分用の持ち帰り用に真鯛の半身だけを下ろして、残りの尾頭付きの半身はマスターの晩酌用にと置いてきました。

自宅に戻り、持ち帰った半身を晩酌用刺身に自分で捌きます。

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半身の中骨を除いて、背身と腹身に分けて腹身は薄切りにしました。

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背身は同じ切り方では面白くないので、皮を付けたまま熱湯をさっとかけて氷水で冷やす"松皮作り"にしました。食べてみると皮つきの方が美味しく感じました。加えて、いつものミックス野菜サラダとこれが今夜の自分の夕食です。

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えっ!「白飯が無いのに夕食ですか?」と聞こえてきますが、ちゃんとお米を絞ったジュースを飲んでますよ! 麦で作った焼酎のウーロン茶割りも飲んでますよ。そういえば自分はもう何年も前から夕食に白米は食べていませんね。でも一向に痩せません(T_T)

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本日も訪問して頂き、ダラダラとした駄文にお付き合い頂きまして有難うございました。

ではまた、お会いしましょうね~!

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